全国学力テストの結果が7月31日に出ました。

小学6年生と中学3年生が対象で2007年から毎年行われている試験です。

 

今年も同じ課題が浮き彫りとなりました。

それは、子供たちの思考と表現力の低さです。

根拠を示して自分の考えを表現する力が問われています。

なぜ毎年同じ課題が求められるかと言うと、この問題に対して具体的な対処策がなされていないからです。

 

教員の皆さんは学習指導要領に従って教えないといけません。

先輩教員が後輩の教案をOJTで細かく確認します。

そこに新しい試みを加える自由度はなく、かつ昔から教え方は変わりません。

加えて、これまでの日本の国語教育は、子供たちが独自の考えを作り出し、それを言葉にする指導法を採用してきませんでした。

実際は、教科書に書かれている内容を覚えることがこの国では勉強とされています。

 

小学校低学年では、教科書を音読する宿題が出て、それを親の前で披露します。

ハキハキ話せていたか、気持ちを込めていたか、などを親が確認します。

学力テストの課題を解決するなら、この宿題では実現できないのです。

元来、この頃から自分で文章を作る学習が必要です。

 

でも、子供たちは何を書けばいいのかを知りません。

どうやったら文章を作れるかを習いません。

なんなら日本の学校では大学まで行ったとしても、論理的な文章展開を習う機会はほとんどありません。

文章作成に自信がある教員が日本にどの程度いるかも謎です。

実際は、日本では体系的な文章作成法が確立されていません。

 

ところが、私はアメリカの大学に留学して論理的、かつ修辞的な文章の書き方を習えました。

文章を書くことが初めて楽しく思えました。

この時の背景に少し触れますと、私はその時、交換留学生で日本の大学から1年間の限定で派遣されていたのです。

私は、日本である程度ふるいにかけられ、かつ現地でも英語の試験を通過し、正規の授業を取れることになっていました。

一般的に留学生はその大学が作る試験、またはTOEFLなどの民間の試験を用いて、英語の聴解、読解、文法、そして作文、の四技能の実力を試されます。

その結果、十分でないとみなされると、自分に求められる能力を伸ばすために技能別の授業を受けます。

それぞれが5段階に分かれています。

私はその英語集中コースは取らずに済むと思っていたのですが、大学から「あなたは日本人だからwriting classだけは取るように」とアドバイスを受けました。

理由が「日本人だから」と言う背景には、それまでの日本人は例外なくwritingで苦労しているのを見てきたから、とのことでした。

 

半信半疑で一番上のレベルを受講したのですが、その内容が衝撃的だったのです。

上記の論理的、かつ修辞的な書き方を生まれて初めて学べました。

そして驚いたのは、そうした書き方を他のクラスメイトたちが皆すでに知っていたことでした。

チリ人も、チェコ人も、フランス人も、非英語母語話者のみんなが知っていました。

しかも彼らは中学時代に習ったと言うのです。

日本では習えていなかったんですよ。

今でも習えていないと断言できます。

 

日本の国語教育はどちらかというと、日本国の言語で書かれた作品に触れ、覚え、日本人である自覚を持たせることに重きを置いているような気がしてなりません。

だから日本語ではなく国語と呼ばれ、日本語教育は非日本語母語話者のためにあるとされているのでしょう。

そのため、自分で文章を書く方法を教えるのは教員の仕事の範疇ではなく、また多忙で知られる日本の教員の仕事をさらに忙しくする要素となり得ます。

現実的には今の教員が文章作成を指導する方法を新しく学び、それを添削することは不可能だと考えられます。

 

ただ、もし子供たちの思考力と表現力を伸ばすためには、エッセイライティングが最適なのです。

毎回異なる話題で一定量(例えば300字程度)の文章を書き続けます。

各文が一貫性のある論理で展開し、かつ重複のない語彙を用いて修辞的な文章を書きます。

つまり言い換えが必要でして、それを頭の中で瞬時にできるようにします。

 

かつ、教員は体系的な添削マニュアルを持つべきです。

コムスキルではアンディ式言語化道場を担当する各講師が同じ質で添削できるようにマニュアルを作っています。

私が大学の教員だった頃に学生たちが提出した文章を基に、論理と修辞を反映させた手引書です。

これでほぼ全ての文章を改善できると考えているのですが、まだまだ完成ではありません。

ぜひ現場の教員の皆様と一緒に開発を進めたいです。

 

そこでAIを使わないほうがいいと私は考えています。

なぜなら、もし添削をAIに任せたら、どの部分をなぜ変えたかの説明ができないからです。

これでは思考力と表現力の改善にはつながりません。

かつ、目の前で生徒たちが変化する姿を目撃することこそが教職の醍醐味だと私は信じています。

私の夢は全国の中学、高校の国語担当教員の皆さんが表現力を磨く授業を提供できるようになることです。

なぜなら、今回の学力テストの結果は日本の国力の低下につながるためです。

 

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